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今さらだが私はやり直そうと思う
半妖というのは昔から付き合い難い特性だった。そのせいでいわれなき虐めも受けた。どこかで、自分自身を嫌う心が育まれてしまったに違いない。
私は半妖であるという属性を無理に封じてしまったため、器だけが県外に一人歩きしては魂が実家に束縛されたままだったのだろう。
戻れ戻れと魂は言い続けていた。それを肉体の君主である理性が無視し続けた。魂は理性の及ばぬ生理現象に干渉を始めた。魂の緒が切れる前に、早く戻れとSOSを発し続けていた。
私は魂を殺しかけた。魂の緒を切り落とされ器から離れてしまった魂は、宇宙が滅びるまで漂い続けなくてはならない。
私は今この独白を、魂への贖罪のために書いている。――あるいは、何気なしに見たサイト上のこの短編賞が、私にそうせよと言ったのかもしれない。
すべては憶測に過ぎないが、私はなにか大きな力で生きた屍になるのを逃れた。ならば、その恩を返さねばならぬ。
この文章を読むすべてのヒトに告ぐ。
己を大事にせよ――私の失われた三年を繰り返すな。
ヒトは未完全な種であるため異種との魂の混合はまれに起こる。己が他と違うからと言って、それを封じてしまっては魂なき器だけのモノになってしまうだろう。
生き辛いと思っている貴方も、異種と魂を混合された半妖なのかもしれない。
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