253人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
スカイラインが完全に夜の闇に消えてしまうまで見送ってから、自分の部屋に戻り、瑠璃ちゃんと一緒にベッドに横になる。
蒼さんにそっくりの藍君の面影を宿す寝顔を見つめながら、いつか自分と蒼さんが、瑠璃ちゃんのように可愛い女の子を挟んで眠る未来を想像して、くすぐったい気持ちになった。
病めるときも、健やかなるときも。何年経っても何十年経っても、私達は手を繋いで花火を見上げて、何万回も何億回もキスをする。
十六年前、あの廃病院で蒼さんが言ってくれた言葉と、二年前にクリニックの裏側でしてもらったプロポーズの言葉。
思い出すだけで、胸の奥からあたたかさが溢れて来る。
でも、とりあえずは――
「そっちが謝るまで、絶対に許しませんから」
なんとなくそこにいるような気がする浮幽霊のその女に呟いてから、私は決意も新たに瞼を閉じた。
病めるときも、健やかなるときも END
最初のコメントを投稿しよう!