病めるときも、健やかなるときも。

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スカイラインが完全に夜の闇に消えてしまうまで見送ってから、自分の部屋に戻り、瑠璃ちゃんと一緒にベッドに横になる。 蒼さんにそっくりの藍君の面影を宿す寝顔を見つめながら、いつか自分と蒼さんが、瑠璃ちゃんのように可愛い女の子を挟んで眠る未来を想像して、くすぐったい気持ちになった。 病めるときも、健やかなるときも。何年経っても何十年経っても、私達は手を繋いで花火を見上げて、何万回も何億回もキスをする。 十六年前、あの廃病院で蒼さんが言ってくれた言葉と、二年前にクリニックの裏側でしてもらったプロポーズの言葉。 思い出すだけで、胸の奥からあたたかさが溢れて来る。 でも、とりあえずは―― 「そっちが謝るまで、絶対に許しませんから」 なんとなくそこにいるような気がする浮幽霊のその(ひと)に呟いてから、私は決意も新たに瞼を閉じた。 病めるときも、健やかなるときも  END
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