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「お酒、ご無沙汰なんですか?」
「えぇ。
お酒は好きなんだけどぉ、すぐ赤くなっちゃってぇ。
だから、一口くらいしか飲めないの。
それにもうだいぶ歳だし……。」
確かにその見た目は80代のお年寄りだ。
しかし、その所作はまるで桜のように可愛らしかった。
「へぇ……。
でもそんな歳には見えませんよ。
とても可愛らしいです。」
「……あら、嬉しい。」
酔いが回ったのか否か、私の言葉に女性は頬を赤らめた。
その様子に気恥ずかしくなった私は
思わず目をそらし、しばらく桜の花を見上げていた。
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