愛される自信を君にあげる

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 泣き顔は可愛くなんてないのに、潤んだ目もとに三条課長の唇が何度も降りてきて、優しい口づけに涙が止まらなくなった。 七  ちゃんとしたデートをしよう。  そう言った三条課長にどこに行きたいかと尋ねられて、思わず動物園と言ってしまったのは子どもっぽ過ぎたかもしれない。  じゃあ遊園地?  それも同じようなものかと、当日までスマートフォン片手に悩むこともしばしば。  想像通りの外車で迎えにきた三条課長と、空を見上げて同時に笑う。 「この天気じゃ動物園は無理だね」  残念ながら厚い雲に覆われた空からは、大粒の雨が降り始めていた。  元々の予報は曇り。  降水確率は微妙なところで五十パーセント。  延期にしようと連絡があるかと思っていたけれど、迎えに行くから家にいてと電話が入った。 「どこに行くんですか?」 「俺のマンション」 「えっ……なのに、わざわざ迎えにきてくれたんですか?」  住所さえ教えてくれれば、自分で行けるのに。  そう口にだすと、苦笑が返された。  だって、いくら車とはいえわざわざあたしの家まで迎えにくるのは面倒だ。  あたしから今日はやめましょうって言うべきだったのかも。 「だって、笑留に話したら今日は中止にしましょうとか言いそうだったから。それに、俺の家って言ってここまで反応ないのも寂しいね。襲われる心配とかしないの?」     
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