愛される自信を君にあげる

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「なんか、三条課長に触られてると……変になりそうなんです。だから……っ」  拒絶していると誤解されたくなくて、必死に言い募る。 「本気で襲いそうになるから、あんまそういうこと言わないでね」 「そういうことって?」 「俺を煽るような可愛いこと言わないでってこと」  言ったつもりはないんです。  口を開いたと同時に、三条課長の唇が深く重なった。 「ん……っ」  触れるだけだった唇が、あたしの下唇を甘噛みする。  熱を持った三条課長の舌に舐められて、再び肌がゾクゾクと粟立つ。  背中を撫でていた手が、シャツの隙間から中へと入ってきた。  あたしがビクッと身体を揺らすと、何かに気づいたように三条課長の手が元の場所に戻された。 「……っ、この体勢でキスするの……ちょっとヤバいね」 「え……?」  密着していた身体がほんの少しだけ離されてしまって、胸が切なくなった。 「触るの……イヤ、でしたか?」  もしかしたら、これ以上は無理って思われたのかもしれない。  どうせキスするならもっと可愛い子の方がいいに決まってる。 「笑留、多分すごーく誤解してると思うんだけどね。俺はキミのことが好きだから、触りたくて堪らない。けど、それ以上に怖がらせたくないから、理性が保てるように今頭の中で念仏唱えてる」 「ね、念仏?」     
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