愛される自信を君にあげる

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「笑留が俺に触られるのに早く慣れてくれないと……暴走しそう」  三条課長の甘い言葉が、あたしの心に浸透していく。  可愛い、好きだと言われるたびに、物語のお姫様になったみたいに世界が輝く。 「英臣さん……慣れたって言ったら、もっとキスしてくれますか?」 「まったく、俺の理性試してない? 可愛すぎて堪んないんだけど」  三条課長があたしを可愛くしてくれるんです。  離れてしまった身体を再び密着させて、あたしは自分から三条課長の肩に手を置いた。  すぐに、唇が重なってあたしは充足感に酔いしれた。 「はぁっ……ん」  互いの唇が唾液で濡れて、シンとした室内に淫らな水音と自分のものとは思えないほど甘い吐息が響く。  触れ合っている唇だけではなく、キュッと身体の芯が疼くような感覚に度々襲われて、あたしは何度も身を捩る。 「ほんとこれ、まずい」  乱れた呼吸を整えるように三条課長の口からも、深く息が吐き出された。あたしはもっととキスをねだるように三条課長の胸元に手を滑らせた。 「……っ、わかっててやってるわけじゃないから余計にね」  息を詰めた三条課長にグッと腰を引き寄せられて、下肢が隙間ないほどに密着した。ごりっと膨らみを押しつけられて、あたしの頭にクエスチョンマークが浮かぶ。     
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