愛される自信を君にあげる

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「俺たちのことは、俺たちで決めるから。父さん話済んだんなら早く帰りなよ。っていうか、電話で済む話でしょ、これ」 「ん? いや、ちょっと風の噂で英臣に恋人ができたって聞いたものでね。今日休みだって言うし、もしかしたらその恋人に会えるかなって来たら、予想通りだったよ」 「風の噂って……情報源、絶対麗だろ」 「どうかな? じゃあ、今度こそ帰るよ」  三条専務は立ち上がり、うんっと伸びをすると颯爽と帰って行った。  玄関のドアが閉まったのを確認して疑問を口にする。 「どうして、麗が言ったってわかるんですか?」  あんまりにも呆気なくあたしの存在を受け入れてくれたこともそうだが、どちらでも構わないというスタンスではありながらも、父親として三条課長が麗と結婚してくれれば嬉しいことに違いはないだろう。  それなのに、突然の訪問にも関わらず部屋にあたしがいたことに、さして驚いてなかったように見えた。 「ああ……実はさ」 「はい」 「麗が困ってたのは本当なんだけどね。うちの親はそう結婚相手にうるさいわけもないから、断ろうと思えば断れた」 「そんな感じはしました」 「でも、チャンスだなって思っちゃったんだよね」 「チャンス?」     
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