愛される自信を君にあげる

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「多分、俺って言うより……麗が付き合ってる相手が問題なんだ。麗の恋人は滝川プロダクションに所属してる俳優だから……それもまだまだ知名度のない、ね。今回のことは壮大な親子喧嘩だよ」  まったく迷惑な話だ……とは思えない。  三条課長のことだし、麗は大事な友達だ。  今日は仕事がバタバタしていて顔を合わせていないが、麗は大丈夫だろうか。 「英臣さんが模擬挙式にでれば……麗のお父さんは納得するんですか?」 「根本的な問題は、麗がちゃんと話し合わないとどうにもならないね。秀征さんは外堀から固めようとしてるんだろうけど、その思惑に乗るつもりはないし。笑留、ごめんね。こういうことに、キミを巻き込みたくはなかった」 「隠されるより、巻き込んでくれた方が……嬉しいです」 「ね、笑留……このまま行くと俺のマンションなんだけど、今日は覚悟してうちに泊まってくれる? この間の続き、したい」  三条課長に囁くように言われた言葉の意味を、こんな時だけ正確に理解してしまった。  ムズムズと落ち着かない。  くすぐったくて、甘い……でもそれがイヤじゃなくて、あたしは三条課長の手をキュッと握り返した。  雰囲気に流されるがまま来てしまったことを今更後悔する。  だって、覚悟ってどうすればいいの?  え、待って。  こういう時って、普通シャワーを浴びるのだろうか。     
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