愛される自信を君にあげる

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 時折、柔らかい肉がキツく吸われる。チリっとした痛みと、それを打ち消すほどの快感に頭が朦朧としてしまう。  三条課長の唇が触れる場所に花びらが散り、あたしの肌が彼に染められていった。  すべての衣類を脱がされて、一度見られているはずなのに耐え難い羞恥心に晒される。部屋は真っ暗なのに、徐々に慣れてきた目に映るのは三条課長の逞しい胸元と、筋肉がついて盛り上がった腕だ。  きっと、あたしの身体も同じようにはっきりと見られていると思うと、幻滅されやしないかと、ネガティブな感情に襲われてしまう。  三条課長がスラックスに手をかける。あたしはぼんやりと彼の行動を見つめていたが、猛々しく盛り上がった下着に頬が緩みそうになる。 「どうしたの?」 「あたしに……興奮してくれてるんだって、嬉しくて」 「この間も見たよね?」  わかっていても、何となく雰囲気に飲まれたのかもしれない、と考えてしまう自分がいた。それほどに信じられなかった。こんなにも素敵な人があたしを好きになってくれたなんて。 「夢かと思ってました」 「じゃあ、今日は寝かせないようにしよう」     
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