愛される自信を君にあげる

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「そもそもうちが滝川家と繋がりがあるのは、親同士が友人だからだ。別に脅しをかけられたぐらいじゃ困らないんだよね。うちだって、グループ会社の一つにプロダクションもあるし、人材は外部に委託したっていい。だから、滝川プロダクションに所属してた麗の恋人をうちに移籍させといた。麗はこれ以上反対するなら、今すぐ婚姻届出しに行って家出するって啖呵切ったみたい」 「そうですか……」  それですべてが万事解決するのだろうか。 「笑留が聞きたいことって何?」  三条課長はわかっているくせに、そういう聞き方をする。  あたしのことまだ好きですか?  あなたのことを信じていていいですか?  聞きたいことはたくさんあった。けれど──どうしても気になるのは、ひとつだけ。 「英臣さんにとって、麗ってどういう存在ですか?」 「……妹、かな。お互い一人っ子だから。それこそ、あいつが産まれた時から知ってるんだ」 「どうして……麗には恋愛感情を抱かなかったんでしょう」  小さい頃からずっとあんなに綺麗な女の子が近くにいたら、誰だって好きになる。  なのに、どうしてあたしを恋人にしてくれたのかって、ずっと不思議だった。  三条課長は少しの時間悩んで、やがてあたしの目を真正面から見据えた。 「俺と麗は……打算的で性格悪いとことか似すぎてるんだ。イヤでしょ? 一緒にいてもお互い腹の中探り合ってるのとか」 「麗も英臣さんも、そんな人じゃないと思いますけど……」 「それは、俺たちがキミにだけは好かれたいって思ってるからだよ」 「え……?」     
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