愛される自信を君にあげる

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「金目当てとか打算で近づいてくる人ばかりなんだ。笑留がそうじゃないってことは俺たちはよくわかってる。でも、キミが思うよりずっとそういう人は少ない。だから、麗は笑留以外に友達なんていないしね」  たしかに麗から三条課長の話を聞くことはあっても、ほかの友人の話を聞くことはなかった。  二人が付き合っていると勘違いしたのも、あたしの予定が合わない時、麗は必ずと言っていいほど三条課長を付き合わせていたからだ。  以前パンケーキを食べに行くと麗と約束していて、どうしてもシフトの調整ができない時があった。  結局、三条課長を付き合わせた挙句、一人で行けと文句を言われたと翌日に麗が愚痴っていたのを聞いた覚えがある。  それに麗は、あたし以外に絶対三条課長の話をしなかった。  深く考えたこともなかったけど、それほどまでに麗に信用されていたんだと嬉しくもあった。 「でもあたしだって、お金持ちと結婚してタワーマンションに住んでみたい、ぐらいの夢はありましたけど」  そういうの打算って言わないんだろうか。  首を傾げて聞くと、三条課長は笑いを堪えて肩を震わせた。 「本当に打算的な人はそういうこと言わないから」 「そう、ですか?」 「どう? 俺と結婚すれば、その夢叶えてあげられるけど」 「英臣さんと一緒にいられるなら……タワーマンションなんていりません」  もちろん、人並みにいい生活ができたらいいとは思う。     
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