愛される自信を君にあげる

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 きっと今あたしの顔は真っ赤に染まっているだろう。  参列席からピューっと口笛が聞こえてきた。 「あたしでいいんですか?」 「キミがいいんだよ」  頬を伝う涙が拭われる。  チャペルは盛大な拍手に包まれた。  この後は誓約書にサインしなければならない。  神父役のスタッフが困っているのに、もう一度三条課長の顔が近づいて、あたしは仕事なのも忘れて彼の背中に腕を回していた。  あとは帰ってからにしなさいと麗から言葉がかけられるまで、三条課長とのキスは続いた。 「愛してます」  彼からもらったたくさんの愛を、今度はあたしが返す番だ。 fin
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