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*** 先ほどとさほど変わらない距離にいる倫太郎だが真っすぐに有栖川を見ている。 その瞳に吸い寄せられる様に有栖川は倫太郎の向かいに座った。 「何、話そうか。」 「話がしたいといったのは先生でしょう。」 相変わらずなツン具合にむずむずとする有栖川。 「お前、ホントに知らないの?」 「なんの話ですか?」 「俺たちの関係。」 「教師と生徒でしょう。それ以外に何があるって言うんですか?」 ツン過ぎて心が折れそうになる有栖川は、必死にこれは現実ではないと心の中で言い続けていた。 「そうだ。もう一つの世界の倫太郎と俺はな、なんと俺と付き合ってるんだぞ。」 「何の冗談ですか。教師と生徒である以前に、僕は男ですよ。」 「知ってるよそんなの。でも好きになるのに性別なんて必要?どうでもよくない?」 「飛んだ発想ですね。」 「でもお前も俺の事をちょっとは好きでいると思うんだよなぁ。あ、もう一つの世界のお前な?」
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