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「いちいち言わなくても理解してますから。」
有栖川を一瞥した後、窓に視線を向け綺麗に咲ききっている桜を見つめた倫太郎。
「くだらない話に付き合っている暇はないので、これで失礼します。」そう言って急いで立ち上がると、一旦そこで有栖川を見降ろし踵を返した。
その間が気になり倫太郎の背中に向かって「ちょっとは気にしてくれてる?俺の事。」と聞いてみた。
ドアノブにかかった手がほんの一瞬止まったが「変わった先生がいるな、程度には。」そう言って出て行ってしまった。
一人残った有栖川の口角は小さく上がり背もたれに頭を置きながらぐるっと椅子を回転させた。
「『変わった先生がいるな、程度には』……か。」
フッと笑い小さくガッツポーズをした。
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