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「桜か?」ふとした疑問が非浮上した。 桜を見あげ唸るようにもう一度「こうなったら満喫するしかないか。」とボヤいた。 「さっきから何言ってるんですか。」 「ん?過去に戻ってもまた同じ人を好きになって、その人に振り向いてもらいたくて必死な俺ってかっこいい?」 有栖川を見つめていた倫太郎の頬に一筋の涙が伝っていた。 それを見た有栖川は無意識のうちに倫太郎の頬に親指の腹を乗せて涙をぬぐっていた。 「お前、何泣いてんの?」 優しい口調に倫太郎の頬にはまた涙がこぼれてきた。 「え、どうしちゃったの?」 「へ?」 頬に伝う涙を自分で拭いながら信じられない様子で有栖川を見上げている倫太郎。 「な、なんでしょう。」 「涙だね。何か感動するような事言った?あ、もしかして俺に惚れた?」 「んなわけないでしょう。これは生理的なものじゃありませんし、なんの意味もありません。」
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