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『2017年3月14日』
「夢?現実?」
自分の頬をつねりながら卓上カレンダーを持ちあげた。
過去にいる自分に驚きを隠せない有栖川。
「こりゃ、夢だな。おーい。寝ている俺、起きた方がいいんじゃない?現実世界の倫太郎を抱いた方が良い気がする。こりゃ倫太郎不足だな。」
天井に向かってボソッとつぶやくも状況は変わらない。
それどころか―――――
「あ、あ、有栖川先生、大丈夫ですか?」
授業を終えた他の社会科の教員が声を震わせながら不審者を見るようなまなざしで、有栖川を見ていた。
「あはは。大丈夫です。ちょっと睡眠不足かなぁ。」
有栖川はそう言いながら、机の上の教科書を適当に持ちながら準備室を後にした。
せっかくのホワイトデーだって言うのに、倫太郎と一から やり直しなんて信じられない。
いっそ何もかもすっ飛ばしてしまおうかと考えた。
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