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「いやぁ。悪いね。助かっちゃった。」
準備室に入って第一声有栖川が声をかけると「別に助けたつもりはないんで。」そう言ってお辞儀をすると部屋を出ようと踵を返した。
「待って！！！」
それを急いで阻止しようと開きかけたドアに両手をついた。
倫太郎を覆うような格好になり見上げた倫太郎の顔が思いのほか近くにあり、有栖川はドキッとした。
「あ、ごめ……。」
思わず謝罪しながら倫太郎から離れた有栖川は、ポリポリと髪の毛をかきむしりながら「あぁ、その……ちょっと話しない？」と提案をしてみた。
倫太郎がピクリと反応した。
「は、話、なんて別にすることないと思いますけど。」
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