第17話 優等生 全年齢向に載せられなかった部分

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二人は身体を綺麗に拭き、汚れたパジャマを着替えると、再び並んで横になる 。 冷静になってみると、急に罪悪感が誠治を襲う。 このことを広田先生が、晶が知ったら軽蔑するだろうか。 親友とこんなことをして、気持ち良くなってしまうなんて、おかしいのではないかーー そう誠治が思い悩んでいると、 「誠治に興奮しちゃうなんて、俺おかしいのかなぁ」 まるで誠治の心を代弁するかのように、宏人が呟いた。 「ううん!おかしくないよ!」 思わず誠治はそう答える。 「いや、お前がそれ言っちゃう?」 「ち、違うんだっ!そういう意味じゃなくて……、」 誠治は頬を赤らめながら、言葉を続けた。 「僕も宏人に、その……、興奮しちゃうから……」 消え入るような声でそう言うと、誠治は宏人にくるりと背を向ける。 しばらく沈黙が続いた後、宏人が誠治の背中に向かって言った。 「なぁ誠治、」 ドクンと誠治の心臓が鼓動する。 「こっち向いて」 言われた通り、誠治が宏人の方に体を向ける。 と、その瞬間、宏人の唇が誠治の唇に押し当てられた。 一瞬、誠治は自分の身に何が起こったのか分からなかった。 すぐに唇が離れ、宏人の少し釣り上がった目に真っ直ぐ見つめられると、全身が一気に熱くなっていく。 「こういうのって変かな?」 頬を赤く染めて、宏人がきく。 「へ、変……かな……?でも、僕は別に変でもいいんじゃないかと思う」 「うん、俺もそう思う」 そう言うと、二人は不器用に手を絡め合い、再び唇を押し付け合うのだった。 第17話 おわり
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