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真夜中だった。
多分、幼稚園児の頃だ。
なんでか、一人でじいちゃん家に泊まっていた。
マンションの俺んちと違う、庭の広い、一軒家で・・・平屋の家も、庭も広かった。
庭には芝生が植わっていたけれど、門から玄関までのアプローチは土で、正方形の飛び石が敷いてあった。
その長いアプローチ全部を覆うように、桜の枝が広がっていた。
玄関と門のちょうど中間に植えられた桜の大木は、近所でも有名な、見事な桜だった。
真夜中に、桜の木の下で、俺は鬼と出会った。
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