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「彼」の話はこう言う事だった。
「彼」は、調理師の免許を取って、飲食系の仕事に就きたかったのらしいが、
病気が原因で入院をしたという。
その後、身体に障碍が残る病気に罹ってしまい、
結果的に調理師免許を持っていても、仕事は限られてしまったというのだ。
「友達の店には行けない」と言うのは、調理師学校時代の同級生には
今の障碍の事を告げていないからだったらしい...
お酒を飲みながら聞く話じゃなかった...
その話をさせてしまった事に申し訳なさを感じていた。
「なんかごめん、そんな話させちゃって...」
「なんで君が謝るの?君は何も悪いことなんてしてないじゃん。
それに俺は、今の生活を悪く思ってないよ?」
「でもさ、そんな話、普通したくないじゃん...」
「君も...障碍持ってるんだよね?」
「え......うん『発達障碍』と『色覚障碍』があるだけなんだけどね。」
自分に『発達障碍』があるという事はあまり人には言わなかった。
『色覚障碍』の事も、言えなかった...
でも、確か「彼」には『発達障碍』がある事を言った気がする。
「彼」はあたしの言葉に頷きながら、あたしの目を見て言った。
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