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「俺さ、『障碍』って誰にでもあると思うんだよ。
身体障碍とか、視覚障害とか...あ、そう言うのは君の専門分野だよね?
君は『発達障碍』と『色覚障碍』を持ってる...俺と君の違いって、
『目に見える障碍』と『目に見えない障碍』って言うだけだと思うんだ。
だから、人間って誰しもが『何かしらの障碍』を持ってると思うんだよ。
人とのコミュニケーションを取るのが苦手とか、どもりやすいとか、色々あるでしょ?
そう言うのも俺は『障碍』だと思ってるよ」
真剣な瞳で語る「彼」の言葉に、あたしは何も言えなくなった。
『目に見える障碍』と『目に見えない障碍』の違い...考えた事もなかった。
「彼」は続けて言った。
「君はさ、自分の弟の事どう思う?やっぱり大変だよね...
君の弟は『知的障碍者』で、ある程度『目に見える障碍』でしょ?
そう言う兄弟持つと大変だと思うよ。
俺も弟がいるんだけど、あいつには迷惑かけちゃってる気がするんだよ。
中学の頃は、俺も健常者でバトミントンで県大会とか出てたんだよね。
でも、弟が中学校に入ったら「水野谷の弟」って目で見られてさ。
ある意味プレッシャー与えちゃったんだけど、その後で俺がこの身体になってね...
余計に弟には負い目を感じてるんだよ...」
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