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「俺一人でも大丈夫だって...」
「そう見えないから。とにかく部屋までこのままいくからね」
そう言うとゆっくりと歩を進める。
気が気じゃなかった...「彼」が1人で部屋に帰る事が出来るとは思わない。
彼の歩調に合わせて、ゆっくりと部屋まで進む。
部屋の前につくとやっと安心した。
「もう大丈夫だよね?」
「うん、ありがと。でも、大変だったでしょ?」
「いや...こう言うの慣れてるし...それにあたし『介護福祉士』の資格持ってるから」
「そうなんだ...だからこのキャンプの『ボランティア』に来たの?」
「そう。でも、理由は別にあるよ?弟が『参加者』だから」
「え...弟さんってもしかして『純』君?」
「そうだけど...」
「明日、俺...弟さんと一緒だわ」
「そうなの?じゃあ、弟の事よろしくね」
「この借りは、弟さんに返すよ」
「うん。でも...あたしと弟は一緒に来てるけど、向こうは『利用者』で
あたしは『ボランティア』だからね。親もその事は知ってる。
だから別なの。あたしは『フリーランス』だから。必要になったら呼んでね。
じゃ、お休み...」
そう言うと、手を振って「彼」と別れた。
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