再び出逢うのは、秋

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飲み会当日、バイトが終わって駅に行くとボーイスカウトのメンバーが何人か集まっていた。 ボーイスカウト以外にもキャンプには『ボランティア』はいたのだが...なぜかいなかった。 「こんばんは。遅くなっちゃって」 「大丈夫だよ。まだ5分前だし...家から来たの?」 そう言うのは座間のボーイスカウトのリーダー、鈴本さんだった。 仕事帰りなのか、スーツを着ている。 「そうなんですね。あたしは家からじゃなくてバイト先からです。 バイト先、ミロードの裏のゲーセンなんで...」 「そうだったの?あのゲーセンでバイトしてるんだ」 「フリーターなんで。日曜日は海老名の市営プールでライフガードしてますよ」 「え、あのプール...俺、休みの時に行くよ?」 「そうなんですね。気が付かなかった」 そんな話をしている間に、メンバーは集まってくる。 飲み会の会場に移動しながら、気になっていた事を聞いてみた。 「そう言えば...今日の飲み会ってボーイスカウト以外の人って来るんですか?」 「いや、来ないよ?」 「え......じゃあ何であたしは呼ばれたんだろう?」 「キャンプファイアー、一緒にやったじゃん。だから」 「あ...そういうことですか」 「でも、キャンプファイヤーの時のあの動きは見事だったわ。 もしかしてガールスカウトでもしてた?」 「いえ。多分キャンプとレクリエーションの資格が役立ったのかも。 専門学校で取ったんで...」 「だからか。家の若い連中の良い見本になったよ」 「お手本にはなりませんよ。みなさんの方がしっかりしてたじゃないですか」 あたしの動きまで見ていたとは。流石はリーダーだ。 でも女の子が他にいないのはちょっと、どうなんだろう... 若干不安だったけど、その場を乗りきると思って参加した。 飲み会ではいろいろな話が出た。 自己紹介もして、ある程度のメンバーの名前や年齢を把握した。
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