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「チイ? そんな所で何をしているの?」
ザァッと桜の木が揺れ動く。
ハラハラと降り散る花びらを、そよ風が優しく撫でていく。
私、山本チイは放課後に学校の近くにある桜の木の下で物思いに耽っていた。
『この戦いが終わったら、一緒に住もう!』
確かに彼はそう言った。
それは、公園の木の下で。
しかし、私の住む町の公園に桜の木はない。
あれは、夢だったのか……
「ううん、何でもないよ」
靡く髪を片手で押さえながらそこにやって来た友達に笑顔で答える。
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