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ピザ屋のバイト
飛鳥が次に選んだのはピザ屋のデリバリーだ
バイクが好きだったから
中免を取る前に既にオフロードバイクに乗っていた
周りもバイク好きが集まっていた、イタリアンのお店より断然楽しかった
平日の昼間シフトにもいる、最早高校とバイト、どちらが本業かわからない状態
ピザ屋のデリバリーはバイト代が良い、勿論、バイトを始めた時点から飛鳥はお小遣いを貰ってはいない
そんなもの要らない
そこのピザ屋で彼氏が出来た、大学生、3個上、兄の隆司と同い年
だから飛鳥が興味を持ったのだろう
兄と正反対の性格
良い時もあった、でもだらしなさすぎて高校を中退してから別れた
別れる時、泣きながらすがられた
何コイツ、マジでキモい
そして飛鳥はそのチェーン店の姉妹店へ移る、たまにヘルプで行っていたし、オーナーや、オーナーのお母さんの取締役のおばさんは優しかった
飛鳥は事故を起こした事が無い、デリバリーも早い、最終的にかなり遠い他店舗、全部で4店舗の町で働いた
気に入られるわけだ
その頃の飛鳥は高校も辞め、中免を取得した
そして別居した母親に付いて行った、散々悪口を聞かされた父親とは住む気になれない
必然的にそうなった、母親も希望した
兄はとっくに遠くの大学へ進学しいなかった、飛鳥に依存したかったのだろう、浮気相手以外に
きっと母は美しかったが弱い人だったのだろう
嫁いだ家が悪かったのもある
父の兄弟は多かった、特に姉、口煩く母にお説教を繰り返した
振り返るとそう思う、そんな所にのびのび田舎で育った一人娘の母が入ったら、ダメになっても仕方が無い
別居した家には母の浮気相手が普通にご飯を食べに来たりしていた
飛鳥も[おじさん]と呼び、普通に接した
マンガみたいな事は無い、[おじさん]は飛鳥にお小遣いを良くくれた
値段の書いてないお寿司屋や、料亭にも連れて行ってくれた
[おじさん]は鋳物の会社の社長だった、陽気で楽しい人だった
母がこの人に逃げたのも解る
-でもいつまで一緒にいられるの?
飛鳥はそう思っていた
車の免許を取り、黄色いボロいゴルフのGTIを購入した飛鳥はだんだんと家に帰らなくなり、しまいには家を出た
[保証人になって]
母親は嫌がりながらも反対も何もしなかった
子供の頃と変わらない-
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