2人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
2話 召喚されたし口悪い
……少しだけ時間を巻き戻してお送りしよう。
やあみんな、こんにちは。俺の名前は川里 義影かわり よしかげ、どこにでもいるごく普通の就活生。強いて違うところをあげるとすれば、もうすぐ3月なのに内定が1つも取れてないことかな? クソが☆
ちなみに今日も面接だったけど、ものの見事に落とされたよ。もう何社目かわからないんだゾ。カスが☆
「……はあ」
無理に明るく振る舞ってみても、元気が出るどころか余計虚しくなるばかりだ、やめよう。
「マジで無職かねえ、このまんまだと……」
半ば自嘲気味にそう呟いた。最初の頃はまあ大丈夫だろうとか思っていたのに、いつの間にか就職浪人の瀬戸際だ。今の状況を父と母に知られたら、何と言われることやら……
「……いいやもう、今日は帰って寝よ……」
今日は面接の時点で俺のライフポイントはもうゼロだ。正直、考えるのもおっくうだ。明日のことは明日の俺に任せて、今日のところはゆっくり休もう。
『…テ……スケテ』
「……あん?」
どこからともなく、声が聞こえた。あたりを見回してみたが、どこにも誰もいない。よくわからないまま、俺はまあいいかと思い、家路を急ぐ。
最初のコメントを投稿しよう!