2話 召喚されたし口悪い

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2話 召喚されたし口悪い

……少しだけ時間を巻き戻してお送りしよう。    やあみんな、こんにちは。俺の名前は川里 義影かわり よしかげ、どこにでもいるごく普通の就活生。強いて違うところをあげるとすれば、もうすぐ3月なのに内定が1つも取れてないことかな? クソが☆  ちなみに今日も面接だったけど、ものの見事に落とされたよ。もう何社目かわからないんだゾ。カスが☆   「……はあ」    無理に明るく振る舞ってみても、元気が出るどころか余計虚しくなるばかりだ、やめよう。   「マジで無職かねえ、このまんまだと……」    半ば自嘲気味にそう呟いた。最初の頃はまあ大丈夫だろうとか思っていたのに、いつの間にか就職浪人の瀬戸際だ。今の状況を父と母に知られたら、何と言われることやら……   「……いいやもう、今日は帰って寝よ……」    今日は面接の時点で俺のライフポイントはもうゼロだ。正直、考えるのもおっくうだ。明日のことは明日の俺に任せて、今日のところはゆっくり休もう。   『…テ……スケテ』   「……あん?」    どこからともなく、声が聞こえた。あたりを見回してみたが、どこにも誰もいない。よくわからないまま、俺はまあいいかと思い、家路を急ぐ。       
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