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春の暖かな風が吹き、なびく長い黒髪を慣れた手つきで流す一人の女性。そして、桜の木の影からその女性に熱い視線を送る一人の男。そう…これはこの二人の男女による、愛に溢れた壮絶な戦いの物語である。
「ねえ…いつまでそうやって見てる気?」
不機嫌そうな表情で桜の木の影を睨む女性。彼女の名は花魅さくら(はなみさくら)、桜高校に通う18歳。
「あんたがそこに居ると、せっかくの桜が台無しになるんだけど。」
「え、あ…ごめんなさい。」
全身を震わせ、木の影からのそのそと出てくる男、桜田春(さくらだしゅん)、同じく桜高校に通う18歳。
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