「なにかまってる」不思議はいつもそこにいたシリーズ4

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「ねーねー、聖起きてよー」 「んー、もう・・・・・・ちょっと、だけ」 「ニャー」 さっきから何度も声をかけて、何度も揺らしているのに聖は起きなかった。 ミケも構って欲しいようで、僕と一緒に聖の体を時折トントンしながら鳴いていた。 「もー、みんな起きて準備してるのにー」 布団をかぶってしまって全然起きてくれない聖は、ヒトだ。 「これはなかなか難しそうですな」 「しょうがないんじゃない?昨日、夜ふかししてたようだし」 そう言って、僕らを見守ってくれているのはチトセさんとカスミ。 チトセさんは、本来オオサンショウウオのような姿で、水辺が得意。 カスミは、本来モモンガのような姿で、風を上手く扱える。 「じゃあ、最終手段でいい?」 その言葉に頷いた2人がそれぞれ布団の端をつかむ。 ミケは一旦布団の上からのいてくれていた。 「せーのっ!」 僕の掛け声に合わせて2人は聖の掛け布団を取りのぞいてくれる。 そして僕は無防備になった聖に飛び乗る! ・・・・・・ウサギの姿で。
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