1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねーねー、聖起きてよー」
「んー、もう・・・・・・ちょっと、だけ」
「ニャー」
さっきから何度も声をかけて、何度も揺らしているのに聖は起きなかった。
ミケも構って欲しいようで、僕と一緒に聖の体を時折トントンしながら鳴いていた。
「もー、みんな起きて準備してるのにー」
布団をかぶってしまって全然起きてくれない聖は、ヒトだ。
「これはなかなか難しそうですな」
「しょうがないんじゃない?昨日、夜ふかししてたようだし」
そう言って、僕らを見守ってくれているのはチトセさんとカスミ。
チトセさんは、本来オオサンショウウオのような姿で、水辺が得意。
カスミは、本来モモンガのような姿で、風を上手く扱える。
「じゃあ、最終手段でいい?」
その言葉に頷いた2人がそれぞれ布団の端をつかむ。
ミケは一旦布団の上からのいてくれていた。
「せーのっ!」
僕の掛け声に合わせて2人は聖の掛け布団を取りのぞいてくれる。
そして僕は無防備になった聖に飛び乗る!
・・・・・・ウサギの姿で。
最初のコメントを投稿しよう!