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「あれ?羽根?」
そう言って聖は再び空に目を向ける。
そこにまたも強い風が吹いて聖は目を細めたものの空を見ている。
「なんか、花びらじゃないものも舞ってる?」
梅の花が開くようにぽっと呟いた聖の言葉に呼応して声が聞こえた。
『聖、久しぶり』
空に虹がかかるような澄んだ声がした。
その声を追うように空を眺めると、そこには空の青に溶け込むような青い鳥がいた。
「あー」
今回はさすがに聖にも聞こえていたようで、諦めのような声が漏れていた。
「そうなんだ、今なんだ、ここでなんだ・・・・・・」
納得するように聖はひたすら呟いていた。
空には今度こそ梅の花びらが舞っていた。
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