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兄がしっかりと葬式を取り仕切ってくれたが、私も母も動揺していて、幼い甥と姪に、お葬式というものがどういうものか説明する余裕が無かった。まだ就学前の幼い澪にとって、先日まであんなに可愛がってくれたおじいちゃんの遺骨を見るなんてどんなにショックなことだっただろうか。
澪は厳粛な顔で骨を拾いながら叔母の私に尋ねた。
「タマシイって、どこにあるの?」
私は答えを探して目の前の父の遺骨を見たが、既に煙となり、空気に溶けて私たち弔問者を見守っていたのかもしれない。目には、父の魂は見えなかった。
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