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「アレクシアは、相変わらず踊るように戦うのね…。ダグラスは、もう少し…アレクシアを見習って…」
真白い、凝縮された骸骨のような人型観覧車四号機『ラ・グラン・ルゥ』に乗るのはアレクシア・ビニスティ。自由奔放なお嬢様でわがままだが、その戦いには無駄がなく、踊るように美しい。
対照的に真黒な人型観覧車二号機『リーゼンラート』に乗るのはダグラス・アンダーソン。
今回の出撃地域は旧ヨーロッパ地区のため、ダグラスはアレクシアの応援に来ていた。
そのため動きはやや覚束ないが、持ち前の運動神経のよさと力の強さで敵機と渡り合っている。
「ユーコ?」
ルイがユーコに目線を戻すと、ユーコは再び眠りについていた。
ユーコが次に目を覚ましたのは、機体回収のアラート音だった。
このアラートの一時間後には、疲れ果てた2人が医務室にやって来るだろう。
除去治療中は何もできない。
輸血パックは残り200cc程度。そろそろ除去も終わる頃である。
「だぁあ!今日も疲れたなァ!お、ユーコ!目ぇ覚めたか!」
全く疲れを感じさせない様子で、ダグラス・アンダーソンがどかどかと医務室へ入ってきた。
「およしなさいなダグラス。ユーコ、おはよう。」
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