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「あら、見てくださったの?」
「ルイが来てくれて、見せてくれたの。」
アレクシアは得意げにニンマリと笑う。その会話を聞いていたダグラスが「俺は!?」と大きな声をあげる。
「無駄が多い」
「無駄が多い、ですって。」
大きな声を上げられないユーコの代わりに、アレクシアがダグラスに告げる。
「あー、そーですか。」
「だいたいあなたは脳みそまで筋肉で出来ているのだから、スマートな動きなんて出来ませんわよねぇ。」
ユーコを挟んで、毎度お馴染みの罵り合いが始まる。
ユーコはそれを黙って聞いているのが好きではあったが、今は正直二人の声が耳に障るくらいには疲れていた。
そこに助け船を出したのは、ユーコの容体を見に来たノーマン・ウィザードだった。
「二人とも、検査が終わったのなら上で食事を取りなさい。食事が終わったら機体のメンテナンスですよ。」
そろそろ還暦を迎えるノーマンは、二人を窘めるとユーコの横に座った。
ダグラスがアレクシアに顎で合図すると、アレクシアも一言挨拶をして医務室を出ていった。
人型変形観覧車研究所、ここはラストスクエアの中央に位置する軍事研究所の最奥部である。
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