名もなき花

2/2
前へ
/11ページ
次へ
彼は47歳。年頃だとすれば立派な大人だ。職業は百姓。季節、季節の野菜を作り料理してウイスキーハイボールで晩酌するのが好きらしい。 (好き)って彼には想いを募らせる女性がいる。(やまもと)さんという。透き通るような百合の花のような白い素肌。キラキラした瞳。機敏で手先も器用で、何よりも声がいい。あっ!紹介おくれっやした拙者は中島家に飼われている黒猫のケンタという者でやんす。拙者は赤ん坊の頃、両親がいなくなって彼から哺乳瓶でミルクをもらって育ててもらった。現在もマグロ味のキャットフードを食べさてもらったでござるよ。拙者は感謝してるんでござんんす(ご主人様)(彼)!!! (やまもと)さんは、ソーラーパネルを手掛ける事業主の家柄である。住宅経営、不動産、FX投資、仮想通貨、と形は変わるが今は電力供給の時代にきてると言ってもいい。その一人娘である。彼女と彼が出会ったのは地域活性化のためのパーティーだった。そこでいい雰囲気だっが一期一会とか運命の赤い糸とか言って連絡先を交換しなかった。 我が身を修めるには心の正しさが求められる。心が正しくするのには思いが誠実でなけらばならない。思いが誠実であるには知性の裏付けがなけらばならない。そして知性を身につけるとは事物の道理なけらばならない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加