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清き水を君へ
(やまもと)さん
彼女の実家はソーラーパネルの事業主とすべに述べた。元々は百姓をしてたそうである。土地に値をつけて不動産化した昭和の政府が悪い。その資金で随分と羽振りがよい暮らしをした結果、ちょっと都心から車で一時間する郊外の立派な家屋敷を見てみればわかる。米、麦、大豆、ハウス野菜で汗をながし辛い想いをして暮らすするより書類などを管理さえすれば自動的に入る金に目が奪われる。
物事は何が基本で何が根本で何が末の事なのか。物事の始まりはどう終わるか。物事の本来終始が分かるようになれば、ほぼ学問の基本を身につけた事になろう。
彼は知っている。人はどう生きるべきで、どう人と接しべきか、仕事は何なのかを30年近く哲学書と人生経験で古今東西の美しき生き方を知っている。
(百姓)
皆、バカにしたじだ時代もあった。土地に値が付けられてお金持ちという時代もあった。現在、ソーラーパネルが話題である。要するに百姓だけでは食っていけないし、重労働(昔にくらべると機械化されてて楽になったが)である。ソーラーパネルの工事費を投資すれば管理なくて荒地にならない。電力会社から金が入ってくる。一見(お~!)思われるが彼には未来を見つめている。21世紀は、食の時代であるとし、新鮮安全安心の食材が求められているとし、高騰する野菜の金額は、その日、その日で変わる。
至善の境地にとどまる事の大切さを知れば進むべき方向がはっきりする。進むべき方向がはっきりすれば心が乱れなくなる。心が乱されなければ安定が保てる。そうなれば物事をよく考えるようになる。物事をよく考えてこそ至善の境地が得られるのだ。
すいやせん。うっかり難しい話しばかり見てもらって。そう恋の道が知りてえでござんしょう。(やまもと)さんと彼はどうなるんでしょうすっかね。二度目会ったのは不思議だったが看護師の(やまもと)さんは、この百姓(彼)を悪い奴とはまあおもってねぇ!と思う。
(あの~今年の風邪は喉が痛むでしょう?)
(まあ。確かに。喉が痛みますね)
白い看護師服と歯切れのいい声が彼の心を薔薇色いや(やまもと)さん色に染められた。ふと病院の庭の花壇に植えられたパンジーの色彩が春にピッタリの恋という花に清き水を与えたいと思った。
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