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放課後、沙紀たちは毎日学校のグラウンドで遊ぶ。
校庭にはフェンス沿いに6本の桜の木が植えてあって、そこからなだらかな丘になった少し先の一番高いところに7本目の木が立っている。
沙紀は仲良しの友達絵梨ちゃん他2人の友達と毎日鬼ごっこやかくれんぼをして遊ぶのが日課だった。
「えっちゃんみーっけ!これで全員ー!次は最初に見つかった沙紀ちゃんが鬼だよ!」
明るく鬼役の女の子が言う。
「えーっ。しかたないなぁ。次は絶対もっと早く見つけて、鬼なんか交代してやるんだからね!ほら、数えるよ!いーち!にーっ・・・・!」
一番最初に見つかり、鬼役の子の後ろを付いて歩いていた私はついに自分の番が来たかと少し気を落としながら鬼役を交代した。
いつも遊んでいる7番目の桜の木に腕を伏せて目を隠し、早々に数を数え始める。
「にげろーっ」
「きゃーっ」
「わーいっ」
友人たちは思い思いの場所へ逃げていく。
冬も終わりに近づき春一番が吹き付けるある日、まだ骨のような枝ばかりの茶色い桜の木の下で、私はかくれんぼをしていた。
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