線香花火

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私がこんな手紙を書いたのは、どうしてもハイト君に伝えたいことがあったから。直接は言えなくても、手紙でなら伝えられるかと思ったからなの。文章を書くのは得意じゃないから、もし読みにくかったらごめんなさい。 単刀直入に言うと、私は明日死んでしまいます。どうしてそんなことが分かるかというと、私には未来が見えるから。信じてもらえないかもしれないけどね。分かりやすく言うと、夢で見た内容が現実になる感じかな。正夢みたいにね。でも、たまにそれが外れることがあるの。だからもし、私が生きて明日を終えられたら、この手紙はびりびりに破いて捨てて、直接全部伝えに行こうと思ってる。今日の花火だって、本当はなかったはずの出来事だから。だけどもし、私が本当に死んでしまったら。この手紙は、その時用の保険みたいなものです。あとは、手紙を書くことで、私が生きていたという証を残したいからかもしれないね。 ハイト君に手紙を書いた理由は、もう一つあるの。こうしてハイト君に手紙を書けば、未来が変わる気がするからかな。一種の願掛けみたいな感じかもしれないね。     
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