線香花火

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 スローモーションのようだった景色が、元の速さを取り戻す。乗用車はあまりにあっさりと、軽々と、私の体を吹き飛ばした。  薄れていく意識の中で、私はずっと、言い残した言葉を脳内で繰り返していた。 『ハイト君、大好き』
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