線香花火

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 暗い青色のグラデーションに彩られた空の下、僕とシアンは近くのスーパーで購入した花火を持ち、河原へと向かった。辺りは暗く、花火をするにはちょうどいい。 「今が夏で良かった」  河原に着くと、シアンがぽつりと呟いた。 「どうして?」 「だって、夏って花火ができるでしょう? あと、かき氷とかアイスとかもおいしいし、夏って大好き」  シアンが満面の笑みを浮かべる。その笑顔が眩しくて、僕は少しだけ目を逸らした。 「冷たい物ばかり食べてるとお腹壊すよ」  そう言うと、シアンは自信満々で胸を反らしてみせた。 「大丈夫だよ、私のお腹は丈夫だから。ハイト君ってたまにお母さんみたいだよね」  おかしそうに笑うシアン。彼女はいつも楽しそうだ。そんなシアンの様子に、僕は少し安心する。 「花火、どれからする?」  夏ももうすぐ終わりだからか、あまり大きいものはなかったが、それでもたくさんの種類の花火が入っていた。 「そうだねぇ、まずはやっぱり派手なやつからかな」     
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