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その大きな桜の木は
驚いたことに
白い花を咲かせていた。
「白い桜、綺麗でしょう?」
笑顔の君が近づいてきた。
「この白い花は、特別な人しか見られないのよ?」
魅力的な君の顔が近づいてきた。
なぜだろう
体が動かない。
「逃げろ」
頭の中で響き渡っていた。
「私は、この桜を美しく色づけるために、心から愛した相手を…」
君の唇が
自分の唇に触れた。
チクリ
小さな痛み。
足の力が抜けて
立っていられなくて
ガクリと
膝をついた。
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