さくら

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遠のく意識 満開の桜の木の下に 横たわり そして、その花の色にまた驚いた。 ありえないほどの 鮮やかな赤 「ありがとう。愛してくれて」 涙がポタポタと 自分の顔に落ちてきた。 「愛してる。これからはずっと一緒よ」 君は 自分を強く強く抱きしめて いつしか 2人の体は溶け合って 形も無くなって 死んでしまうというのに 信じられないくらいに 穏やかで 満ち足りた 幸せの刻。 君の涙を含んだ花は 春の訪れを告げる あたたかで 淡い ピンク色へと変わっていた。 そしてまた 新しい桜の精が 桜の木の下で 笑顔で 愛すべき相手を 見つけるのだろう。
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