夜桜乱舞3年目

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高3の夜桜乱舞は歴代の夜桜乱舞の中でも特に盛況だった。 混雑した会場の中で、俺は電波女を探した。 何処かで踊っているはずなのだ。着物姿の女なんて、そうそういるはずがない。 例年より多い観光客と、例年よりも強い花吹雪に、俺は度々押し流されながら電波女を探した。 …いない、これだけ探してるのに見つからない。 俺は電波女の桜の木のところまで戻った。 こちらにもいない。 「見つかんねーよ…。」 俺は電波女の桜の木に向かって言った。 あまり気にしたことがなかったが、電波女のいた桜の木は周りの桜の木よりずいぶん小振りだった。 だが、それでも桜には違いない。ライトアップこそされない桜だが、十分に見事な、そしてどこか儚げな美しさを漂わせていた。 「きれいだな…。」 自分でそう呟いた事に、しばらく気付かなかった。 結局、電波女は見つからず、今年の夜桜乱舞は幕を閉じた。
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