俺が春を好きになったのは……

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俺と一緒だからーー。 彼女の想いに、胸にトクンッと暖かいものがよみがえるのを感じた。 いつもそう。 俺がとうの昔に忘れ去っていた気持ちを、ひとまわり以上年下の彼女がゆっくり導き出してくれるんだ。 愛おしさが、溢れるーー。 「……遅くなって、ごめん」 他に、言葉が見付からなかった。 胸がいっぱいで、気の利いた台詞なんて言えなくて……。 俺は彼女の左手を取って、ポケットに隠し持っていた指輪を左手薬指にはめた。
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