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#2
次の日 パンッパンに腫れた目を温めながら学校にいく準備を始めました。
「あーーー、行きたくないなぁ」
ぼそっと呟きます。
そうするとお母さんが
「遅刻するから急いだ方がいいよ」
時計を見たら7時55分、やばいです。
「あ、間に合わない!行ってきます!!」
私が思ったより元気なのは昨日の彼のお陰だと思います。
多分声をかけてくれなかったらもっと辛かったと思うので。
駅まで自転車で猛ダッシュ。ギリギリ電車の時間に間に合いました。
定期を探しながら走っていたら前の人ぶつかりました。
「すみません!」
顔を上げるとびっくりしました。
「あっ」
そこにいたのは昨日の優しい人。
「あっ、昨日の。大丈夫ですか?」
「はっ、はい…」
彼は思ったより背が高くて
驚いたことに同じ高校の制服を着てました。
「同じ高校だったんですか?」
「そう、みたいですね」
彼は優しく微笑んでくれました。その顔がまた私の心にぎゅっとなにかを連れてきました。
「あっ!!!遅刻する!!!」
私はもう一度見ると時計の針がまた進んでいました。
「走りましょう」
彼は私の手を取り走り出しました。
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