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古老の山
その村は険しい岩肌に囲まれた山の麓にありました。石造りの家が点在し、白い毛に覆われた首の長い動物を家畜としています。
あるとき、一人の旅人が通りかかります。
山を越える前にこの村に立ち寄ることにしました。
村の中に入った旅人は驚きます。この村で暮らしているのは年老いたものばかりで若者の姿はありません。
ですが、老人たちは皆健康そのもので、逞しい腕で元気に農作業に勤しんでいます。
老人たちは突然の異邦人を物珍しそうに眺めますが、旅人と分かると気安く迎え入れてくれました。
「あの、この村は見たところご高齢の人たちが多いようですが、若い人たちはどこにいるのですか?」
旅人は尋ねます。しかし、老人たちは豪快に笑うだけです。
気になった若者は村長の家を訪ねました。嫌でも目につく大きな家屋です。村長はこの村でも特に年寄りのように見えます。長い髭をたくわえてはいますが、凛とした背筋、筋肉の衰えを見せない体。まるで仙人のような風格を持っています。周りには外で見た白い毛の家畜をソファ代わりに侍らせています。
「ようこそ、旅人さん。旅人さんはこの村の風習について興味があると伺っておりますが」
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