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第1章 幸福な日々
■ 第1話 ロボットに乗りたい ■
【おとーさん、ぼくもあれのりたい!】
3~4歳の頃。
TVを指差し、僕はそう言った。画面の中では、人のような形をした機械が2体、剣や鉄砲で戦い合っていた。
絵が替わると、狭い部屋。
片方の機械の中。両手でレバーをガチャガチャさせるお兄さんの姿。そうして機械を動かしている、パイロットだ。
その機械はそう、ロボット。
人が乗って動かす、人型の。
人に似た、人より巨大で強大なそれを、人が意のままに動かせる――ということに心惹かれた僕は、自分も動かしたいと強く願った。
でも――
【こうゆうのはまだ、現実にはないんだよ】
【まだ……?】
【晃が大きくなる頃には、できてるといいね】
あれから、10年――
◆◇◆◇◆
「カグヤ! やってくれたね?」
『アキラ! アンタの方こそ?』
ガシャン!
空から墜ちるも、両足でしっかり着地する僕の相棒。
全高20mの搭乗式ロボット〝ヴェサロイド〟――通称VDの1つ。
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