11人が本棚に入れています
本棚に追加
オーラムの頭部視点のモニターから眼下に見えるその両腕が動き、後ろ腰に装着していた短い棒を取って両手で持つ。
ブゥン……
バトンの上端から噴き出した青白く細長い炎が、機体の腕よりやや長く伸びる。拡散しないよう、物質化した光子で覆われた重金属粒子の束。
バトンは柄に。
ビームは刃に。
一振りの剣、極光剣の出来上がり。遠目に、シルバーンも極光剣を抜いたのが見えた。
「よし、行こう! オーラム?」
『行くわよッ! シルバーン?』
左右の操縦桿をグイッと前にスライド。
左操縦桿から左半身に。
右操縦桿から右半身に。
それぞれ〝前進〟の入力を受けたオーラムが、真っ直ぐ前へ走り出す。
さらに左右のペダルを踏んで!
アクセル全開、全力疾走に!
ダッ!
ダッ!
オーラムが大地を蹴る度に蹴った足側のペダルが振動し、機体との一体感を高めてくれる――ああ!
僕は今、ロボットを動かしてる?
シルバーンの姿が大きくなっていく。砂を巻き上げ、向こうも同じように駆けてくる……
今だ!
右操縦桿の引鉄を人差し指で引き絞る。機体から前へ伸びる緑の線、攻撃補助エフェクト〝攻撃線〟に沿って、オーラムが剣を突き出す?
バヂィィッ?
シルバーンの突いた剣と激突!
最初のコメントを投稿しよう!