第1章 幸福な日々

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 極光剣(ビームサーベル)の刃と刃の、(プラス)に荷電した粒子同士が磁石の同極のように弾き合い、実体剣同士のような鍔迫り合いになる――パワーなら、こっちが上だ! 「押し切るッ!」 『させるかッ!』  ガクッ  ! シルバーンが剣を引き、勢い余ってオーラムが前につんのめった? その隙にシルバーンが左から背後に回り込んでくる―― 「このォッ?」  操縦桿を左のだけ引く! 左半身のみ後退、機体は左回りに旋回する?  ギュルッ――バンッ?  回転の勢いを乗せてオーラムが薙ぎ払った剣を、シルバーンが剣で受け止めた――力ずくで吹っ飛ばす!  ズシャァァァッ? 『強引ね!』 「まぁね!」  体勢を崩しながら着地したシルバーンに肉薄し、引鉄(トリガー)を引いて剣を突き出したまま――  グィッ  両操縦桿のグリップを手前にひねる! オーラムが全身をのけ反らせながら、剣を大上段に振りかぶる! 「はぁッ?」  両グリップを今度は逆にひねって! オーラムが剣を振り下ろす!  ズシャァァッ?  極光剣(ビームサーベル)がざっくり地面に刺さる。粒子の熱が月面の岩を溶かす――  避けられた!  バックステップで避けたシルバーンがすぐまた前に踏み込んでくて、こっちの下がった頭部に剣を振り下ろす――光の刃が目の前に迫って来る? 「う、おお!」     
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