私の住む小さな街でも

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【彼女side】 ねぇ、覚えてる? あの日のこと。 数年の月日が経とうとするし、君はもう忘れちゃったかな? 「綺麗……」 小さな駅のホームから見える大きな桜の木。 春の季節が来たときには、手をつなぎながらふたり、木の下まで歩いて何も言わずただ桜を眺めてたね。 どんなに時が経とうと、変わらずに毎年ここで咲いている。 この桜を見に来るたびにね。 君との懐かしい思い出が、一瞬でよみがえるよ。 あのとき感じていた当たり前の幸せが、今になってようやく気づくなんて……バカだよね、本当。
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