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「今日は、ありがとう!水族館楽しかったよ、本番もちゃんとやりなよ。」
自分の家が見えてきて、私は慌て話し始めた。
「……。」
翔は、何も言わずに下を向いてまま。
私の家の前について、ようやく翔と目があった。
彼の瞳が揺れる。
「明日……。」
クシャッと前髪をかく。
「俺と付き合って良いと思ったら、ちゃんと恋人としてデートしてくれないかな!」
真っ直ぐ、見つめている瞳が西日に揺れる。
「えっ、それって…。」
耳を真っ赤にしながら、彼は言葉を続けた。
「高校入って、周りがお前の話してるの聞いて…マジで焦った。幼馴染だから、そんな風に見られてないだろうし…それでも、他の奴に上げたくなくて。」
少し早口な言葉から彼の緊張が伝わってくる。
「だから、お前に意識させたくてこんな事した。」
「好きなんだ、お前のこと。」
「だから……。」
彼の手が私の肩を掴み、彼の唇が私の唇に触れそうな距離で止まる。
「付き合ってほしい。」
真っ直ぐな言葉に胸の奥が熱くなる。
私は、そっと背伸びをして彼の唇に軽く触れるようなキスをした。
「……明日は、動物園がいいな…。」
彼の胸に抱きしめられながら、私達は明日の約束をした。
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