星歌国と姫神

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星歌国と姫神

ヒュルルルルッ 落ちて、いく……? 目を開けているのか、閉じているのかさえわからない暗闇のなか、音羽は意識を手放した……。 ザアァァァァァ…………ッ 「!」 雨の音で、音羽は目を覚ます。 「あっ!音羽ちゃん!よかった……。」 とろんとした瞳に、自分にとても近い、オトハがうつる。 「大丈夫か?気分は平気か?」 「……オトハちゃん、けーちゃん……。」 そこで歌羽は自分たちの状況をはじめて理解した。 「……っ!?」 ばっ飛び起きた音羽に、音羽の困惑を察した芸羽が全てを伝える。 「なんか、気がついたらすごい高い四角い建物に囲まれた道のど真ん中にいて、俺とオトハはすぐ気づいたんだけど、音羽は中々目を覚まさなくて……。そしたら、」 「私が必然のごとく見つけて、おつげどおりに保護いたしましたの。」 「!」 ……だれ? 「申し遅れました、私、ここ、星歌国『せいかこく』の姫神、火花『はなび』ともうします。もちろん、真名ではありませんが。」 「星歌国!?」 音羽はビックリした。まさかこんな簡単に成功すると思っていなかったのだ。 「…本当に別の所へ来ちゃったんだ……。」 オトハがそう寂しそうに呟いた瞬間『とき』、音羽がぎゅっとウタハを抱き締めた。     
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